23/09/02 とんだりはねたり夏猫祭り

東京藝術大学の学祭、藝祭に行ってきた。

母校以外の学祭には行ったことがなかったのだけれど、敬愛するミュージシャン、向井秀徳がライブをするとあっては行かないわけにはいかない。それに、Twitter、もといXで、タバコを模したシャボン玉「バブルシガレット」を売っているというツイート、もといポストを見たので、こりゃ欲しいと赴いたのであった。

ところがどっこい、「バブルシガレット」は大人気で売り切れ、後日受注販売をするとお店に立つ藝大生が声を張り上げていて、がっくし。平成インターネット的に言えばorz。それだけ買ったらライブまでトーハクの常設展を見に行こうと思っていたけれど、どうやら学生有志による展示が盛んに催されているようだったので、そちらにホイホイと吸い寄せられてしまった。

ちょうど昨日、自ら手を動かして何かを作ることの尊さを再確認したところだったので、その精神状態で浴びるには厳しいほどの創造の濃度に、シンプルに嘔吐しそうになった(校舎が全体的に暑かったこととは関係ない)。日本最高峰の芸術大学に合格できた人たちによる、試行錯誤の過程とそのひとつの到達点としての結実は、そういうことをしたいと思っている人間にとって、もはや凶器に近かったと思う。

普段なら、なぜ「その題材を」「その媒体で/その素材で」「その表現方法で」「その展示方法で」表したのだろう、ということを考えながら見るのが好きなのだけど、心理的にも展示数的にそんな余裕はなかった。なんというか、まあ、すごかった。単純だけど、そういう感想になる。あとは神輿を作るのは楽しそうだな、とか、そんなところ。(正直な感想を付け足せば、卒展は本当に集大成なのだな、とも思った。)

当初の目的であった向井秀徳アコースティック&エレクトリックのライブは大盛況で、前枠が終わった瞬間に行っても前から3列目くらいになってしまった。どうやら入場制限もされていたらしい。質問&お悩み相談のトークパートは向井節全開で面白かったし、ライブは言うまでもない。やっぱり「Water Front」はいいね。アンコールの「守ってあげたい」もシビれた。あれこれ語る必要もない、ただ、良い、そういうライブだった。

アート&ミュージックに浸った一日だったけど、一番記憶に残っているのは、琴の音色にエクスタシーを覚える、と語る向井秀徳だ(アヘ、アヘアヘ、となるらしい)。