23/07/03 The Arts

土曜は朝から強い雨が降っていて、そのうえ4時間しか寝ていなかったけれど、全力で外出した。なぜなら、今敏監督作品がスクリーンで見られると聞きつけたからだ。目黒のミニシアター*1で、生誕60周年の特集として上映するということだったから、これは混むぞと覚悟していた。着いてみると、遠目にも分かるほどの長蛇の列ができていて、あまりにも予想通りで笑ってしまった。

朝昼の2回の上映のうち、朝の回はまず無理だろうと初めから諦めてはいたので、昼の回のチケットを買えることだけを願っていたところ、ちゃんと購入できた。数日前に外国人に話しかけられて固まっている店員を助けたり、降りる駅が近づいたからカップルに隣同士の席を譲ったりしたのが良かったのかもしれない。徳ポイント。

それでも朝イチで並んで昼過ぎの上映開始だから暇な時間がふんだんにあって、今まで行ったことのなかった松岡美術館まで赴いた。この道中がおそらく今日一番の豪雨で、膝から下がびしょびしょになって暗澹たる気分だった。

しかし、目当てだった印象派にフォーカスした企画展*2はコンパクトながら充実しており、ブーダンは言うまでもないながら、ギヨマン、シスレーの良さを再確認し、あまり好きではなかったシニャックに対する印象が良くなった。常設のコレクションも、特に東アジアの古代の彫刻は圧巻だった。

本当は足を伸ばして写真美術館まで行きたかったが、さすがにそこまでの余裕はなく。また今度。

さて、当の映画だけど、「千年女優」と「パーフェクトブルー」の上映だった。いずれも強烈な印象を与えてくれた。一日全体の出来事として、長らく忘れないだろう。

 

日曜は朝からスタジオでギターを弾いた。実に四年半ぶりだった。以前はベースだったので、ギターを弾くために行くという点では初めての経験だった。一緒にベースを買った友人と二人で入ったのだが、ドラムがいないだけでこんなに合わせるのが難しいものか、とびっくりした。エフェクターを一つも買っていないから、直アンだったのもやや居心地の悪さみたいなものを一人で勝手に感じていた。

そのあとは「リバー、流れないでよ」*3を見た。タイムループの映画で、2分ワンカットを30回ぐらい繰り返す執念はもはや怖い域だったが、それでもコメディとして大変に面白かった。極めて局所的な群像劇、かつ本当は大したことないことを大事件的に描く、上田誠の手腕にはいつも驚かされる(エンドロールまでヨーロッパ企画制作ということすら知らなかったけど!)。

そのあとはいったん帰宅して、機動戦士ガンダム 水星の魔女の最終回を見ていたら飲み会の誘いがあったので、中野まで繰り出し、中野サンプラザの最後を見届け、お酒を飲み、カラオケで歌い狂って、また帰宅して気絶するように寝た。今朝がた寝坊しなかったのが奇跡だ。

 

素晴らしく充実した休日だった。今日、この月曜は灰色の面白さのかけらもない日であったけれど。