23/04/05 大体、ダイアリー

この「としゅひゃっぺん」の或る日の日記が、本に載るらしい。

二カ月くらい前、記事の編集画面の少し上のところに「日記ブログを募集している」だかなんだかの小さい通知が出ていたのが端緒である。なんぞやと思って開いたら、日記祭という催し*1があって、はてなブログがそれに協賛する、そこでユーザの日記を集めた「はてなブログの日記本」を作って配布するから、あなたの日記を掲載しませんか?という案内*2だった。

せっかく毎日ちまちまと自分語りをインターネッツの大海原に流していることだし、自分の文章が本に載る、というのもなんだかワクワクした(文集が楽しみな小学生みたいだ)ので、条件に適した日記で何の気なしに応募した、気がする。

気がすると言うのも、いつの日記で応募したか全く覚えていないのだ。自分として良い感じに書けたな、という感触があったものを選んだのだろうけれど、どれも確証がない。というかそもそも、応募したこと自体をすっかり忘れていた。お酒が美味しいだとか、桜が咲いてる!だとか、あるいは労働とか、そういう日々の些事が積み重なって過去の軽微な記憶を押し出していくわけだ。

それが今日、やけにメールの通知が多いな、と思って(基本的に通知バッジは全部消すタチだ)アプリを開いたら「あなたの日記を『はてなブログの日記本』に掲載します」というタイトルが目に入ってきて、応募した日記のこと以外のすべてを思い出し、ちょっと浮かれた気分になった、という顛末。

特にトレーニングを積んだわけでも、何かしらの指南書を読んだわけでもない、強いて言えば国文学専攻だったくらいのことばの素人に過ぎないけれど、ウンウン頭を捻ってその日思ったこと/感じたことを書いた文章が、誰かに拾い上げてもらえるというのはやはりうれしい。「この味はいいねと君が言ったから」の句に込められた感情と同じものに包まれた気がする。

しかもそれが、物理的な形を取ることが一層良い。満ち足りた気分になる。テキトーに応募した過去の自分に感謝しなくてはならない。

 

日記祭は次の日曜日、下北沢で開催される。奇しくも大学時代、源氏物語を鞄に入れて歩いていた街だ。随分変わったということだけ聞いている。

いつの日記が載ったのか、馴染みのある店はまだ続いているのか、確認しなければならない。日曜日の予定が決まった。週末の予定を埋めるのは好きではないが、こればかりは顔がほころぶ。うふ。

 

今日のお酒:ウッドフォードリザーブ