23/03/09 日々是(たぶん)好日

この時期はどうしてもそわそわする。

大学の合否発表の時期が遺伝子に刻まれているからだ。共通テストは(自分のころはセンター試験だったが)日程が土日に当てはめられるから、そろそろかな、くらいの感覚しかないが、2月25・26日と、3月6日~10日の日付は、目にするだけで少し気持ちが変わる。それが自分事であったのは、もうかなり昔のことなのに。

ある特定の日付に照準を合わせて、何かに精力的に取り組むということは人生を通じてありふれたことだと思うが、毎年必ずその日であるということ、そしてかつて、自分の人生のターニングポイントであったこと、この二つが、深く深くDNAに根を張っているのだろう。

 

そういう意味で、世の中の大半のひとにとっては何でもない、ただありふれた日常のうちの或る一日でしかない日が、ほかの誰かにとっては特別な日である、という事実が大変尊く感じられる。

大切なひとの誕生日かもしれないし、あるいは命日かもしれない。人生の転機になった、忘れられない日かもしれない。ひょっとすると、ただ、「この味がいいね」と言われただけかもしれない。

だから、出来事の重要さ・希少さにかかわらず、何かひとつ意味がある、そういう日が過ごせる/過ごせたと納得できる、それだけで、何でもなかった日付も、特別なものになりうるポテンシャルをはじめから持っていたのだろうな、と、当たり前のことに気が付いた。

でも、なかなかそうすることは難しい。「人生とは心の持ち方でどうにでもなる」と謳ったひとがいたけれど、それは真理だけど理想であって、それができれば苦労はしないのだよ、と聞くたびに思う。

良い天気じゃないと、お休みじゃないと、占いもラッキーじゃないと、特別な日になる前に足切りをしてしまう。もっと大事な、本番的な、その日一日の中身を、もっと大切にしたいと思いましたとさ。

 

今日のお酒:ウッドフォードリザーブ