23/08/10 A-Ru-Ki-Ma-Wa-Ri Sunday!(後編)

日曜日のお話、Fender Flagship Tokyoを出たあとの続き。

次の目的地に向かう道中、ヨックモックミュージアムが近かったので寄ろうか迷いましたが、そこの特別展の会期はまだ余裕があったので、泣く泣く素通り。

当の3か所目は、根津美術館。「物語る絵画*1」と題し、物語が描かれた絵巻や屏風、画帖を集めた企画展を開催していて、学生時代に源氏物語を齧った身としては行くしかありませんでした。今まで、5月の燕子花が綺麗に咲く時期に合わせて開催される燕子花図屏風の展示に合わせてしか行ったことがなかったので、やや新鮮な気持ちがしました。展示は"for me"であることを差し引いても満足な内容でしたが、くずし字を見るたびにもう少し読めるようになったおけば...!と後悔しました。

個人的に根津美術館で一番好きなパートは青銅器のところなので、そこを2周してから庭園に出ました。すると驚くことに、すれ違う人が全員外国からの観光客の方々。渋谷から近くアクセスのよい日本庭園として、観光スポットになっているようです。ちょっぴりラーメンチェーンの一蘭みたいだな、と思いました。そう、庭園は、蝉に襲われたので逃げ帰りました。蝉が苦手。

その次、4か所目は新国立美術館です。蔡國強氏の個展*2がどうしても見たくて仕方なかったのです。火薬によるドローイングや爆発のイベントなど、本人のコメント付きで充実のインスタレーションでした。「Project for Extraterrestrials」は大好きです。

が、やはりインスタレーションは苦手な形式だと思いました。作品を見るよりも、作品と一緒に写真を撮る、あるいは作品を見ている自分の写真を撮ってもらうことを考えているひとたちが、気にしないではいられない数、存在するからです。インスタレーションそれ自体には罪はないのですが...切っても切り離せないさだめでしょう。

本当はテート美術館展の方が楽しみで、前売りも買ってあるくらい、一緒に見たかったのですが、それはまた今度ということで我慢しました。

最後は、21_21 DESIGN SIGHTの「Material, or」という企画展で締めました。普段からわれわれが触れているもの/用いているものが、いったい何からできているのか、ということを意識できるようになった気がします。アップデート。以前「Japanese Design Today 100(現代日本デザイン100選)」を見に行ったときも思いましたが、工学とデザインのパワーは想像をはるかに上回る水準で、しかも驚くべき場面の数で、われわれの生活を支えているのです。

 

自分は足繁くミュージアムやギャラリーに行っていますが、テキストとは異なる、より直感的な表現に浸ることは、余計なことを考えなくて済む、という現実逃避的な面があり、自分がそれに依存していることは否定できません。しかし、それは言葉の綾でもあって、良く言えば、雑多な情報の波から自分を守る、防波堤として、かつ、防波堤を強固にするものとして、欠かすことのできないものだと断言できます。一方で、仮にそんな防御壁を設ける必要が一切なくなったとしても、私はこの習慣を取りやめることはないでしょう。

そう、この日曜日はあちこち歩き回ったものの、結局2万歩、15kmほどしか歩いていませんでした。体感の疲労度は3万歩くらいの感じでしたが、暑さによるものでしょう。実際、道中でスポーツドリンクと水を1本ずつ飲み干しました。

熱中症には十分留意して、今週末も同じようなことができることを 想像します。