23/02/19 ほとぼり

コミティアに初めて行った。練り歩いて、7割ぐらいのサークルを見たと思う。

コミケには行ったことがあったが、オリジナル限定のコミティアは何やら格式の高さを感じて、足踏みしてしまっていた。

確かにコミケのような「お祭り感」は全くなかったし、そういうところが、格式高い感じがする要因なのかも、と感じつつも、しかし、場には確かに、迸る熱が満ちていた。

その熱は、内にあるものを表現したい、形にしたい、共有したい、という純度の高いエネルギーを持っていて、それは創作物だけでなくて、作家のひとびとの装いからも感じられた。

それに、美術館で、額装された、ガラス一枚隔てた「過去の偉人たち」の絵を見るのとは異なり、その場で作り手の顔を見ながら、生み出されたものを手に取ることができる、つまりは直に熱源に触れられる、即売会という形式も一助になっていただろう。

大仰ではないか、と思われるかもしれないし、自分自身少しそんな気もするが、それでもやはり、ひとつ形にする、ということはとても大変だから、一種の尊敬として、表しておきたい。

そう思うのも、なにせ、中学生の時分の夢は、作家だったからだ。生む苦しみというものを、自分もわずかながらに体験したことがあるからこそ、畏敬の念を抱かずにはいられない。

当時はWordで20ページくらい書いた気がするが、結局、話をまとめきれずに電子の海の藻屑となった。そのあとは、たまに1ページ分くらいの短いお話を、誰に見せるでもなく書いて、それからこの日記を書き始めるまで、およそ6,7年、パーソナルなところから湧き出るものを書く、という習慣から離れていた。

 

だが、今日の経験を経て、今度は文字を書くのではなくて、絵を描いてみたい、という気持ちになった。もともと風景画を描くのは好きだったが、もっとポップなイラストを自分も描いてみたくなっている。

もともと、クリエイティブなものに触れると、その熱にあてられるタイプなので、意図的にそういう場を避けていた、というところは少なからずあったが、愚かであった。コミティアは、「全然熱にあてられちゃって、思うがままに作っちゃえばいいじゃんか!」と、無言のうちに全肯定してもらえる場だったと思う。

本当に行ってよかった。まずはペンタブを、買っちゃおうかな!

 

今日のお酒:カリラ ディスティラーズエディション モスカテルカスク、バレッヒェン11年