23/02/10 Ah, Whipしたケーキのような

雪が降った。そして積もって、雨で溶けた。

もうそこそこ良い年齢になったが、それでもやはり、雪が降ること・積もること自体にはテンションが上がる。寒いのはとっても嫌いだし、雪の中外出するときには世界のすべてを恨むような気持ちにもなるけれども、たとえば次の日なにも予定がない日の前夜、明らかに雪が降るだろう、と予感できる冷え込み方のなか床に就いて、翌朝カーテンを開けたとき、銀世界に目が眩んで、寒さを実感するあの瞬間は、やはり何物にも代えがたい。普段から窓の外が真っ白なひとには、あまり快感ではないかもしれないが、そんなひとはそうそういるまい。

ただ、今日の雪は、昼下がりに雨に変わったところが最悪ポイントだった。雪を踏みしめるときの「いま、自分は歩いている」と再確認できる稀有な機会を奪われてしまった。しかも、冬の雨は身体の熱を奪う速度が尋常ではない。濡れた防寒具はもはや冷却パックに近い。

それに、いま我が家には傘がない。あいにく、逢いに行かなくちゃいけない「君」がいない(し、一応折り畳み傘がある)ので、さしたる問題にはならないのだが、雨の日に少し買い物に、というときには困る。もともと番傘を買おうと思っていたが、予算の4倍くらいの値札に目玉が飛び出たまま、結局今日まで至ってしまった。無くす・壊すリスクがあるものに、ダブル諭吉はかなりハードルが高い。

それでも、せっかく雨の日にしか使わないものなので、ちょっと洒落たもの、和柄の傘とか、を探しているが、なかなかどうして、ちょうどいい塩梅のものがない。麻の葉や青海波なんて、雨傘にぴったりだと思うのだけれど。

 

今しがた外に出たら、雪はもうほとんどなかったのに、月がさも当然のように夜を照らしていて、すこし腹が立った。