22/12/29 行きは良い良い

「ライフステージは上げたら戻れないからね」という言葉が刺さった。

人生の進捗状況とも言い換えられそうなライフステージという言葉は、その七文字を用いるだけで「進捗どうですか?」と尋ねるに等しい意味があると思う。

 

ちょうど今のタイミングでいえば、周囲の人間が婚姻のステップへと駒を進め始めている。

人生ゲームでいえば車に色の違うピンをひとつ刺す(なんとグロテスクな抽象化だろうか!)、序盤の終わりを告げる一大イベントだ。

婚姻を白眼視する一部の層ですらも恋人がいることには怒りを禁じ得ないが、閑話休題、それら人生の階段を登っていく周囲と、ライフステージ不動明王を続ける自分との間で、どうしても焦燥感と、孤独がある。

そのうち会話の主題が子育てになっていくにも関わらず、こちらは新作のゲームや、話題の漫画やらから抜け出せない、とか、独身はいくらかの歳で気が狂う、とか、そういう言い伝えが現実味を帯びて迫ってきている。

 

そういう話を十年来の友人と話して、冒頭の言葉が出てきたのであった。

なるほど確かに、婚姻や生殖は社会的縛りをもたらす。左手薬指のアクセサリは拘束具だし、子は鎹とは言わずもがな。ライフステージは降りることができないのだ。できるにはできるが、現代ではある種の烙印がついて回るようになる。

だからこそ、重要な人生のターニングポイント足りえるのだけれど。

 

総括すると、考えてみれば至極当然で、言われてみれば確かにと膝を打ったわけだが、なんというか、そう焦る必要もないのかもしれない、と冷静になれたという、つまらないオチであった。

めでたしめでたし?

 

今日のお酒:VODKA HANOI