今日は一日下北沢で遊んだ。
定期的に下北沢で飲み歩く会を催してきたのだが、今回は友人が謎解き街歩きキットを持っていると言うので、昼から集まって謎解きに興じた。
下北沢という街そのものと自分の関わりは、少し前、まだ南口商店街の入り口すぐに改札があったころ、大学生になりたてだったころまで遡る。それから4年間、つまり在学中、ずっと通い詰めた。週3,4くらいのペースだったと思う。ゲームをしたり、お酒を飲んだり、買い物をしたり、完全に生活の拠点だった。
そういう経験があるので、謎解き街歩きとなっても、次の目的地がどっちなのか、自分たちが今どのあたりにいるのか、すぐに分かった。歩く人間Google 下北沢 mapの機能など、どこで役に立つのやらと思っていたが、今日はそれが遺憾なく発揮できた。
一方で、謎解きのために街をキョロキョロ見回しながら歩いて、自分が通っていたころとは、店の顔ぶれがそこそこ変わっていることに気付いた。それなりの時間が経っているので当然だが、でも、見知った店もしっかり残っていたりして、寂しさと懐かしさが同居する、奇妙な感覚だった。たぶん、数年ぶりに故郷に帰ると、こういう感覚になるのだろう。
それと、かつてはその存在に気付かなかった、あるいは、存在は認識していても、当時はそれ自体に興味がなかったお店を改めて発見することができた。道のことは知っていても、全然街のことは知り尽くせないな、とも思った。代謝も起きることだしね。
しかし、そういう体験を経て、なぜ謎解き街歩きがこのごろ流行っているのか、分かった気がした。街を歩き回ってもらって、お店を見つけてもらい、立ち寄ってもらう。まちおこしの一環としてかなり優秀なのだ。
そのとき、あまり謎が難しくても、参加者はその場で立ち止まって考え込んでしまう(結果、ひとが滞留する)し、簡単すぎると、街を散策する間もなく、どんどん次の目的地に向かってしまう。そう考えると、今回の塩梅はさすがSCRAPだと思った。街の造形に絡めた謎とその難易度、街中を歩き回らないといけない設計、全体の所要時間・歩く距離と疲労感もちょうどよかった。恐れ入る。
今回は謎解きにある程度造詣があるメンバーで挑んだこともあり、割とサクサク(途中で大ポカをかまし、かなりの無駄足を踏んだこともあったが)進んだので、いつも予約しているお店の時間までちょっと空いてしまった。
随分と疲れていたので、歩き回っている最中に見つけたオイスターバーに転がり込み、ハッピーアワーセットで生牡蠣と焼き牡蠣、プラスでお酒も入れて0次会とした。
いつも行っているお店というのは、下北沢では結構有名らしい「こけら」というお店で、魚料理がすこぶる美味しい。季節ごとに異なる刺身の盛り合わせや、入荷した魚に合わせた珍しい食べ方ができて、季節が変わるごとに行ってしまう。今日は焼き太刀魚と車海老がぶっちぎりで美味しかった。
その後は時間も少し早かったので、餃子をつまみ、今日はお開きとなった。
至って楽しく美味しい一日だったが、街にいる人々の年齢層が若めなので、少しばかりまぶしい。いや、かつては自分もその一部だったはずなのだが。あと、電車に乗っていて(下北沢で降りそうだな...)と思う人間たちが実際たくさん降りていき、街中にたくさんいるので、ちょっと気疲れする。
それでも、やはり演劇や音楽、飲食やファッションという様々な点で、結構刺激が得られる。今はもう通い詰めることもないが、たまに行くと楽しい、そんな感じのポジションの街だと思う。そういう街が一番ちょうどいいのかもしれない。