23/05/22 澄めるSmell

香を焚いた。

二カ月くらい前に銀座に香水を買いに行って、予想の倍くらいの値段に意識を失い、気付いたら代わりに(?)お香と香炉を買っていたのだった。

どうして二カ月も寝かせていたのかというと、せっかく良いものを買ったのだから、それに火を点けるものも良いものを使いたい、という凝り性のせいだ。なんなら年末に買ったアロマキャンドルも未だに寝ている(スナッファーが欲しいからだ)。結局洒落たライターもマッチも見つからず、百円均一のチャッカマンで用を足した。喫煙者たちはどこで味のあるデザインのライターを見つけるのだろう?

いかんせん、あーでもないこーでもないと吟味しているうちに、どうしても必要になったり、あるいはどうでもよくなったりして、結局安価な量産品で間に合わせることが多くて嫌になる。しかもそれはどこか気に入らなくて、使い切ったり壊れたりしたら買い直そうと思うのに、こういうものに限って長持ちする。このままだと傘でも同じ轍を踏みそう。早くお気に入りに出会いたい。

 

もとい、お香は大変に心地よい香りがした。

香は沈香。子供のころ、歴史系のワークショップみたいなもので匂い袋を作ったときから好きな匂いなので、感動もひとしおだ。

狭苦しいワンルームでお香を焚いて火災報知機が鳴らないか心配だったが、さすがにその程度の煙や温度ではびくともしなかった。でもなんか空気清浄機が爆裂に動いている。最近の家電は賢い。

 

においの話で言えば、これからの季節、生乾きとか汗の臭いとかに気分が悪くなることもあるので、少し憂鬱だなあ。

好きな匂いだけ嗅いで生きていたいよ。