23/05/16 ゼルダの伝説の言説

ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」に没頭している。

発売日の金曜日は当然休みにして(発売日が決まったタイミングで休みの予定を入れた気がする)、0時から6年ぶりのハイラル王国へと旅立っていた。

思い返せば、前作「ブレス オブ ザ ワイルド」はNintendo Switchの発売と同時にリリースされたのであった。

思い出話をしよう。忘れもしない、2017年3月3日。任天堂信者として新ハードは欲しいけど、予約するほどでもないか、と思っていた。しかし、前日になって(やはり買うなら発売日に欲しい)と思い、整理券を配ると告知していたヤマダ電機に朝の7時から並んだのだ。9時から整理券配布開始だったはずなので、買えないかもな~と思いながら行ったら、人だかりどころか、これが列?と迷うレベルだった。一番乗りが孫に頼まれたらしいお婆ちゃん。二番目はゲームと共に育ってきた世代のように見えた恰幅の良い男性。三番目が自分。四番目が中国からの留学生。以降は分からない。いずれにしても、任天堂の新ハードがそこまで注目されていない、というのを肌で感じた。

整理券を配り始めるまで2時間ほどあったから、必然会話が生まれた。最近やっているゲームとか、どのソフトを買うか、とかを話した気がする。どんなソフトが出るのかすら知らなかった自分は、「とりあえず本体だけでも!」みたいなことを言っていた気がする。後ろの留学生は、途中で取材に来たらしい記者にインタビューを受けていた。3月の朝7時だから、かなり寒かったはずだが、あまり凍えた覚えはない。列に並ぶ高揚感は、体温すらも上げるらしい。

そして、整理券配布開始の時刻になり、店員から並んだ全員が購入できるアナウンスがあった。何人並んだのかは分からなかったけれど、同じゲーム機を求めてやってきた仲間全員に行き渡ることは嬉しかった。前の人から順番に希望のカラーを聞かれて、もちろんネオンと答えた。おもちゃたるゲーム機はカラフルで然るべきという信条があるからだ。この点は前の男性とも意見が一致した。

整理券を手にしてから開店までは1時間もあって、すぐ売ってくれ!と思ったが、店の都合もあるので仕方なく、近くのマクドナルドで時間を潰した。

開店時間になると、先ほどの面々がぞろぞろとおもちゃコーナーに番号順に列を成して、皆浮足立っている様子だった。お婆ちゃん、男性、と呼ばれて、自分の番。レジにゲームソフトや周辺機器の一覧表が印刷して置いてあって、それを提示されながら他に買うものはありますか?と聞かれて初めて、やっぱりソフトも欲しい、となった。そこで何を考えたかは覚えていないが、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」を合わせて購入したのだ。

家に帰って、ワクワクで本体を開封して、ドックやJoy-Conに感動していた自分に、さらなる感動を叩きつけてきたのが、「ブレス オブ ザ ワイルド」だったことは言うまでもない。始まりの台地に出た瞬間、眼前に広がるハイラル王国を見たときの「冒険が始まる」感は、今後一生上書きされないレベルだと思う。

そこから一週間、プレイし続けた。毎日6時間とかプレイしていたと思う。それでもエンディングまで一週間。楽しくないときはなかった(たぶんあったけど、補正がかかっている記憶を肯定したい)。濃密な時間だった。

けれど、当時はそもそもSwitchを持っているひとが少なすぎて、あまり話題になっていなかった印象がある。

 

だから、今作の盛り上がりは、とても嬉しい。

親目線みたいになってしまうけれど、6年の歳月をかけて、多くの人が「ブレス オブ ザ ワイルド」をプレイして(あるいはプレイ動画を見て)、楽しんで、続編を今か今かと待ち続けたんだなあ、と、今の盛り上がりを見て思うわけです。

Switchを買おうか迷っていたり、買ったりした友人に「BotWをやるべき」「やらないならSwitchを買った意味ない」「つまらなかったら自分が買い取る」と布教したり、RTA動画をこまめにリツイートしたり、そういった行いが1mmでも意味があったのならファンのひとりとして幸せだ。

 

本当はこの日記を書いている今この瞬間もハイラルを駆け巡りたいけど、際限がないから我慢している。だって、初日は20時間プレイして、寝るときには朝日が燦燦と輝いていたから...。