23/02/16 Switch the Switch

ゲーム機の進化は目覚ましい。

十分にファミコンスーファミが現役だったころ(スーパーマリオワールドは最高のゲームだ)を経験している世代なので、あの頃と今のゲームを比べてみると、それこそ100年くらい経っているんじゃないか、とすら思える。

 

それなりの性能のPCを購入してからは、コンシューマ機、特にプレイステーションは(大体のゲームがPCでプレイできてしまうので)ほとんど触らなくなってしまったが、そこはやはり任天堂、あくまでもおもちゃを作っているのだというスピリットが込められたSwitchはほとんど毎日触っている。

これらゲームハードは、いつからだろうか、「電源を切る」という行為はほとんど不要になって、基本的にスリープモードで置いておいて、次プレイするときには「電源を入れる」ことなく、すぐにプレイできるようになった。

オートセーブも一般的になって、ふっかつのじゅもんを唱えたり、砦をクリアしたり、レポートにしっかりかきのこしたりする必要もなくなった。

それは、便利なようで、少し寂しい。

ゲームソフトを挿して、ゲーム機のスイッチを「カチッ」と入れる瞬間、そして画面が輝いて、キラキラした起動音が響くその瞬間のワクワクを、あるいは、プレイに一区切りをつけて、まだ遊びたいという気持ちが、スイッチを「カチッ」と切って画面が真っ暗になる瞬間に切断される悲しさを、我々は夢中のうちに毎日経験していたはずだ。

物語に飛び込み、現実に引きずり出される、その象徴として電源のオンオフ、あの「カチッ」という音が遺伝子に刻み込まれてしまっている。

ホームボタンやPSボタンを長押ししただけでは得られない、非日常への切り替えの音が、とても恋しい。