23/01/16 味噌と葱

最近、短歌が流行しているらしい。

世間の流行り廃りに疎いので歌集が売れているとかそういう話も知らなかった。

言われてみれば、プレバトの短歌コーナーは確かに人気っぽい。

SNS感覚で楽しめる、というのがフックになっているそうだが、なんともまあ、期せずして、コミュニケーションツールたる歌の本来の役割に、SNSという現代のツールを介して回帰してきたというのは面白い。

ひょっとすると、自分がこのブログを始めたのと同様に、「草」とか「エモい」とか、定型文によるコミュニケーションに対する反動が無意識のうちにあるのかもしれないし、逆に、そういったいわゆる「乱れた」日本語の普及が、自由な言葉の用い方を無条件に肯定してくれそうな短歌の世界と親和性が高いのかもしれない。

 

詠み手の情動が31文字に圧縮されることで、逆にそこで示されていない余白の世界への想像が拡張される、それはすなわち、あらかじめ定められたスケジュール通りに動いていく、余裕のない世界に対する反動だろ、とも考えてしまう。

だが、140文字以内でやりとりする世界の中で、31文字きっかりに情動を込めてボトルメールのように送り出す、そして知らない誰かがそれを「いいね」と思う、行為自体には文通に似た趣があり、交わされる文字数の制限にはポケベルに似た趣がある。

 

いろいろなところで定型詩を楽しむ下地ができていたんだろう。

自分で詠もうとすると、メンヘラ短歌しか生まれないので、全部お蔵入り。どこかで供養したいなあ。

 

今日のお酒:体調不良のため、なし。