24/05/22 艶消し最悪だし

クリーニングに出していたコート類を受け取ったら、大枚はたいて買ったお気に入りのコートのツヤが消えていて悲しい日になってしまった。

どうしても信じたくなくて、冬の間いつも掛けていたところに掛けて、記憶の中のそれと見比べたけど、やはりツヤが落ちて、マットな質感になってしまっていた。手触りもツルサラだったのがやや布感が出ていて、認めたくない現実がしっかりと自分の五感に訴えかけてきた。

明確にビフォーアフターを見比べられないから、訴え出ようにも証拠がない。色落ちしたり、破けたり...気付かないはずがないだろうというレベルの損壊でないとどうしようもなさそうだ。なかなかつらい。

普段からいろいろ出しているクリーニング屋だから、腕が悪いということはないと思うけど、それでも、キレイにするためのクリーニングなのに、ときおり失敗が生まれるのは本当に解せない。今回の件の恨みとかいう話ではなく、今までクリーニングによってお気に入りの服を(クリーニングに出す服はみんな大切にしている服だろう)破壊されたすべてのひとびとの怒り・悲しみに思いを馳せて、そう思っている。

クリーニングそれ自体の歴史は、日本では確か明治のころから始まっているはずだ。昨今の科学/化学の目覚ましい進歩にも関わらず、クリーニングの技術はもう頭打ちになっているのだろうか。あるいは工場で不良品が生まれてしまうのと同じで、画一的に・工業的に取り扱う以上、致し方ない犠牲として片付けられているのか。衣類の素材の進化のほうが早いから、クリーニング側がそれに追いついていないことも考えられる。

いやしかし、あーだこーだと考えてみても、傷んでしまったお気に入りのコートは元には戻らないのである。着られないわけではないが、着たときの高揚感、ウキウキは失われるだろう。

来冬、また大枚はたいて買い直すことすら視野に入れるレベルでショックな出来事だった。本当に、母親にLINEするくらいにはショックだった。はあ。