掲示板が愛おしい。
掲示板と言っても、ネット掲示板は少し違う。もちろん包含される一要素ではあるが、特定の場所に据えられた物理的な掲示板こそ愛おしい。
そこを訪れたという共通点しかない、お互いのことを全く知らないひとたちが、そこに書き残されたことばを起点に、自らの知見や意見を追加していくこと。そして大抵の場合、自分が書いたのちに、あとからほかのひとたちがどんな内容で話題を展開していくのか、誰も知らないし、それどころか気にもしないこと。
これら、ただひとときの気まぐれによる、わずかな利他の精神が、掲示板のうえで見えない紐帯の結び目を作っているようで、たまらなくうれしい気持ちになる。
いや、もちろん、今や掲示板そのものは絶滅危惧種だけれども、だからこそ、見つけたときには見入ってしまうし、書いてみようかな、という気になる。
最近だと、おすすめの飲食店を紹介しよう、みたいな掲示板がよくいくところにあって、お気に入りのカフェを買いておいた。後日見てみたら、「よかった!」という感想が矢印で結ばれていたり、「もう少し奥まで行くと、良い定食屋さんがありますよ」と話が広がっていたりして、これこれ!とテンションが上がった。
東京砂漠ということばもそろそろ還暦を迎えるころだけど、こうした文字通りのオアシスが、まだそこかしかにぽつぽつ残っていて、まさしくこころを潤すことができる、なんとも有難いことだ。
どこからでも・だれでも・いつでも書き込めるインターネッツも便利ではあるけれど、やはり、その場にいた、ということが、大切なんだろうなと思いました。
いいかげんその日のうちに日記を書き上げるようにしたい。昨日は先輩と飲酒したので仕方がないけれども...。