23/01/28 Cultivate

國學院大學博物館で今日から開催されている、「物語絵―嫁入本『源氏物語』全54帖公開―」という企画展を見に行った。

museum.kokugakuin.ac.jp

恵比寿と表参道の狭間、渋谷駅を中心に見て奥渋と反対側(愛称はあるのだろうか?)へ初めて歩みを入れたが、起伏が少なく、ほどよい幅で平坦な道、かつ閑静な住宅街のなかに、古くから続いていそうなアトリエや喫茶店、あるいはハンバーガー専門店が点在しており、行きかう人も穏やかな風体で(犬を連れている人の多いこと!)、心地よい空気のなか散策することができた。Google mapの「行ってみたい」ピンもいくつか増えた。

國學院大學自体も入るのは初めてだったが、街の雰囲気に合わせて、落ち着いた空気が漂う、居心地のよいキャンパスであった。休日だから、数こそ少なかったものの、サークルだろうか、ときおりすれ違う学生も、ハタチ前後の万能感がにじみ出ている様子もなく、親しみやすそうな出で立ちだった。

ここで自分の学生生活を思い出し、濃縮された後悔が再び首をもたげたのは言うまでもないが、三日に一回そんな話をしても仕方がないので、それはさておき、当の展示は、嫁入本がやや小さく、総括として「こぢんまり」としたものだった。

もちろん、嫁入本の絵は繊細で美麗だったし、54帖がずらりと並んでいる様子は圧巻だった。いつぞや、大観の生々流転を見たことを思い出した。

それはともかく、この博物館は、常設展の縄文~古代の資料の数が非常に膨大で、むしろそちらの方が見どころだった。打製石器も土器も、隙間全部埋めました!と言わんばかりに並べられていて、そこまでしなくても...という量がある。火焔型土器は非常にきれいな状態だし、埴輪や銅鏡も同様だ。

ミュージアムショップのグッズも、なかなかかわいらしい。遮光器土偶ポーチや、大なまず曳き物のトートバッグ、思わず買いそうになった(こういうグッズは使わずにタンスの肥やしになることが相場なので、我慢した)。

 

なんだか宣伝みたいになってしまったが、入場は無料なので誰かにオススメしたい。かなりカルチベイトされた一日であった。約三年ぶりに会う友人たちとの会話も濃厚で、やはり大学という環境が一番良い、と博物館からも、人間関係からも痛烈に感じた一日であった。